さくらは薄暗いトイレに入り、ドアをしめた。



はぁ。はぁ。はぁ。





はぁ。はぁ。はぁ。





上手く抜けられたね。





うん。でも見て。あいつも方向転換してこっちに這って来てるよ。





もたもたしてられない。行こう。





うん。





ああっ!ストーーーップ。





何?どうしたの?





おトイレ行きたくなっちゃった。





ええっ。駄目だよ。それどころじゃないよ。





でも、漏らしたらママに怒られちゃう。





あいつらに捕まったら、死んじゃうかもしれないんだよ!漏らすくらいいいじゃない!





お願い。すぐ終わらせるから・・・





もうしょうがないんだから!





すぐ近くのトイレに行くよ。





うん。ごめんね。





じゃあ。入るね。待っててね。





うん。早くしてね。


さくらは薄暗いトイレに入り、ドアをしめた。



ちえちゃん。いる?





いるよ!





はぁ・・・。終わった・・・。


さくらは、トイレをすませ、ドアを開けた。



ちえちゃん。おまたせ。


話しかけたが、そこには、ちえの姿はなかった。



ちえちゃん?どこ?





隠れてるの?いたずらはやめてよ。





ちえちゃん?


誰もいない薄暗いトイレに、さくらの小さな声が響いていた。
to be continued
